飼い主はついに、インコのカゴを新調することを決意した。
いたって普通な鳥カゴである。
強いて言うなら大きい。オカメインコ用のようだ。
出入り口のスロープや、以前からインコの寝床となっている麻ひもを多用した輪っか、昨冬引き籠もりの原因となったバードテント、保温電球、アワ穂、イカ、といたれり尽くされ。
屋上庭園だってある。
飼い主は興味を持たせようと、アワを置いたり、フレッシュハコベで引きつけたり、飼い主自身が遊んでみたりする。
いかにも楽しそうに、飼い主の右手は階段を登り、屋根をかじり、穴に吸い込まれていく。
インコに遊んでもらいたい一心で。
しかし、
上から眺めるだけのインコ。
今年もまたクリスマスがやってくる。
座椅子でくつろぐインコ。